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犬、猫、熊、蛇…。こんなにある!動物や鳥・魚の名前が入った駅名たち

こんなにある!動物の名前が入った駅名たち 地理

「動物の名前がつく駅名」と聞いて、どこを思い浮かべるでしょうか。

人間の生活に身近な「犬」や「猫」で連想しても、案外思いつかないかもしれません。

今回はそんな「動物の名前が入った駅名」をいくつかご紹介します。

意識してなかったけど、あの駅にも動物の名前が入ってたなんて!というものがひょっとしたらあるかも?

哺乳類

まずはヒトと最も近しい哺乳類から。

「犬」のつく駅名

過去に行われた政府の世論調査によれば、国内で飼っているペットの種類で最も多いのはワンちゃんなのだそうです(出典:動物愛護に関する世論調査)。

犬吠駅(千葉県・銚子電鉄)

太平洋に向けて突き出し、初日の出スポットとして知られる「犬吠埼」から徒歩圏内の駅です。

駅を置く銚子電鉄は、ぬれ煎餅経営悪化を逆手に取った広告方法などでコアな人気を誇る鉄道会社。

犬吠駅も銚電の新たな名物と位置付けられた鯛焼きの販売やポルトガルの宮殿風の駅舎など、見どころの多い駅となっています。

犬山口駅/犬山駅/犬山遊園駅(愛知県・名古屋鉄道)

犬山城など観光名所で知られる愛知県犬山市。現在日本で唯一の「犬」がつく自治体でもあるため、全国的にも思いつく人が多い地名(駅名)ではないでしょうか。

このうち犬山駅と犬山遊園駅の2つは犬山線の全列車停車駅で、犬山駅は小牧線と広見線に分岐しています。

犬山遊園駅の駅名は付近にある遊園地「日本モンキーパーク」に由来するものではなく、モンキーパークより前に存在した「犬山遊園地」から名付けられたのだとか。

羽犬塚駅(福岡県・JR九州)

開業時点の地名が旧・八女郡羽犬塚村だったことに由来する羽犬塚駅。

「羽犬塚」については諸説あるものの、いずれの説も豊臣秀吉にゆかりの犬から取られたとされています。

北西に5kmの位置には西鉄の「犬塚駅」もあり、こちらは開業時点の所在は旧・三潴郡犬塚村。名前の似た2駅ですが、由縁はそれぞれ別の村にあります。

犬飼駅(大分県・JR九州)

大分県豊後大野市犬飼町に所在する駅。犬飼町は2005年の合併まで独立した自治体だったため、最近までは先の犬山市とともに希少な「犬」のつく市町村でした

漫画『デトロイト・メタル・シティ』の作者出身地でもあり、主人公の出身地の駅として実写映画のロケ撮影なども行われています。

「猫」のつく駅名

先ほどの政府調査の一方、一般社団法人ペットフード協会による「飼育頭数」という観点での調べでは猫が犬を上回りました(出典:2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査 結果)。

猫又駅(富山県・黒部峡谷鉄道)

なんと2024年時点、全国の駅で猫がつくのはここだけ!

しかもこの猫又駅、隣接する黒部川第二発電所へ資材や作業人員を運搬する業務目的で造られた関西電力専用の駅であり、一般客の下車ができません。残念。

名前の由来は、付近に「ねずみ返しの岩壁」と呼ばれる高さ200mの大岩壁があり、猫に追われたねずみが引き返すほどの岩壁を見た猫もまた同様に引き返したから、なのだそう(出典:黒部峡谷鉄道トロッコ電車HP)。

「熊」のつく駅名

北海道にヒグマ、本州以南にツキノワグマが生息し、時に人の命を落とす危険な生物として知られる熊。ただ、地名としての「熊」は必ずしも動物のクマを示すものではないようです。

2016年に廃駅となった舎熊駅(北海道・JR留萌本線)の「しゃくま」も、「イ・サッケ・クマ」という「魚を干す竿」を意味するアイヌ語が由来とされます。

熊ケ根駅(宮城県・JR東日本)

付近にある熊野社から地域名がついたといわれる、仙台市青葉区の大字です。

人の居住地としての歴史は古く、戦国時代には熊ヶ根城が置かれていたほか江戸時代には作並街道の宿場町、熊ケ根宿として栄えました。

熊谷駅(埼玉県・JR東日本、秩父鉄道)

埼玉県北における拠点都市として、上越新幹線と高崎線、秩父鉄道の秩父本線を迎え入れる熊谷市の同名駅。

平安末期の武将・平直貞が熊を討ったから、荒川の流路が蛇行していたため「曲谷(くまがい)」と呼ばれたことから、など地名の由来には諸説あります。

夏の猛暑が厳しいことでも知られる熊谷市とあって、駅入口などでは早くから冷却ミストの設置などが進められました。

熊野市駅(三重県・JR東海)

先ほど挙げた熊ケ根駅の由来・熊野社はどこからきたのかというと、三重県南部と和歌山県南部からなる熊野地域に由来を発します。

『古事記』や『日本書紀』に記される歴史ある地名ですが、それ故に由縁の説も多く、「神武天皇が大熊に会った場所」「クマ≒カミ(神)の住まう土地」「隅(くま)=都から見た『辺境の地』」などさまざま。

駅名については改称時、駅が所在するのは「三重と和歌山にまたがる熊野地域の中心部」ではなくあくまでも「熊野市の中心市街」であることから「市」が付されました。

「馬」のつく駅名

馬形の埴輪や神社に奉納される神馬など、古くから日本人の生活に深い結びつきを持っていた動物が馬です。

練馬駅/練馬高野台駅/練馬春日町駅/東武練馬駅(東京都・西武鉄道、都営地下鉄、東武鉄道)

練馬駅を区の中核駅として、「練馬」を冠した3つの駅を抱える練馬区。「4つじゃないの?」と思われそうですが、東武練馬駅があるのはギリギリ板橋区なんです。

「練馬」の由来について区は「定説はありません」としながらも、「関東ローム層の赤土をねったところを『ねり場』といった」「石神井川流域の低地の奥まったところに沼(『根沼』)が多かった」など複数の説を紹介しています(出典:区名の由来:練馬区公式ホームページ)。

高田馬場駅(東京都・JR東日本、西武鉄道、東京メトロ)

早稲田大学をはじめとする教育機関が駅周辺に点在し、全国屈指の学生街を形成する高田馬場。

通称「馬場」と呼ばれることも多いですが、地名の由来は流鏑馬などを行う正真正銘の「馬場」。現在の西早稲田三丁目付近にあったとされ、江戸期の「高田馬場の決闘」でも知られます。

のちに駅が開業する際、駅からは離れているものの史跡として高名な高田馬場(たかたのばば)を駅名に採用。現在の町名としての「高田馬場」は駅名の後付けと考えられます。

「たかだのばば」と濁っている理由については、史跡と駅名を区別するため故意に濁らせたとも、鉄道省の役人が地方出身で東京の地理に疎かったからとも。

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落語や歌舞伎の演題でも知られる「高田馬場の決闘」をはじめ、「元禄赤穂事件」「桜田門外の変」「明暦の大火」など江戸の事件現場を辿る良書

馬喰町駅(東京都・JR東日本)

東京は「馬」のつく駅名が多いようです。こちらの馬喰町駅は中央区日本橋馬喰町に所在。現在は国内屈指の問屋街となっています。

こちらも字義の通り、牛馬の売買や斡旋を行う博労(馬喰)が多い町だったことがその由来。馬場も置かれていたそうです。

駅は地中深くにあり、連絡通路で繋がる都営地下鉄の馬喰横山駅は乗換駅に指定されています。

「牛」のつく駅名

飛鳥時代には日本国内でも牛乳が飲まれていたそう。明治以降は牛肉食も浸透するなど、食生活の観点でも身近な存在です。

撫牛子駅(青森県・JR東日本)

弘前市内に所在する撫牛子(ないじょうし)駅。大字からその名がついた、いわゆる難読駅名です。

アイヌ語の「ナイチャシ」(川に近いところ)などから転じたとする説があるものの、詳細は不明。「牛」と別の位置に「うし」の読み仮名が入るのも不思議な感じがしますね。

特牛駅(山口県・JR西日本)

こちらも難読駅ですが、逆に有名すぎて読める人が多いかもしれないレベルにある特牛(こっとい)駅。「牛」のつく駅は難読駅名が多いんでしょうか?

周辺施設などにも見られる地名ですが、由来としては日本海に面した港の入り江を表す「琴江」やこの土地に多かった「牝牛(コテイ・コトイ)」、さらに「重荷を負う特別に強靭な牛」の意味などが合成したものと伝わります。

鳥類

脊椎動物の枠組みで哺乳類と同じく恒温動物の鳥類。

さまざまな種類の鳥の名前が駅名にも見られます。

「鳥」のつく駅名

まずは広義の「鳥」を含める駅名から。

百舌鳥駅(大阪府・JR西日本)

読み仮名(もず)よりも漢字表記(百舌鳥)のほうが字数が多いJRで唯一の駅という、堺市堺区百舌鳥夕雲に所在の百舌鳥駅。

日本最大の古墳・大仙陵古墳を擁する百舌鳥古墳群で全国的に知られる「百舌鳥」の地名ですが、『日本書紀』で「死んだ鹿の耳から百舌鳥が出てきた」という記述こそあるものの、これは「百舌鳥耳原」という元からあった地名の後付けで考えられた地名起源説話と見られており、なぜそう呼ばれるようになったのかは堺市も不明としています(出典:地名の由来が知りたいんだけど? 堺市)。

飛鳥駅(奈良県・近畿日本鉄道)

日本史上およそ100年に渡り続いた飛鳥時代。都が置かれていたのが、現在の明日香村(あすかむら)大字飛鳥(あすか)周辺です。

「あすか」の読みについてはサンスクリット語などの外来語由来から地形由来まで多くの説が、「飛鳥」の表記については万葉集のいくつかの歌にある枕詞「飛鳥(とぶとり)の」に由来するとされています。

小さな駅ながら全国の大手私鉄で唯一村にある駅、かつ特急停車駅となっています。

「鷲」「鷹」のつく駅名

鷲と鷹は同じタカ目タカ科。明確な区別はなく、個体の大きなものを鷲、比較して小さなものを鷹と呼び分けているに過ぎません。

その風格や力強さから国内外で国章やトレードマークなどに採用されることも多い鳥たちです。

鷲別駅(北海道・JR北海道)

室蘭本線における特急停車駅です。登別市と室蘭市の境界線上に駅が置かれていますが、住所は登別市鷲別町。

アイヌ語の「チワㇱペッ」(波立つ川)や「アシュㇱペッ」(柴・川)などがその由来と考えられています。

ちなみに登別市には鷲別駅のほか幌別駅・富浦駅・登別駅の4つの駅があり、そのうち3つに「ペッ」(川)が付いているのも特徴的です。

鷲宮駅/東鷲宮駅(埼玉県・東武鉄道、JR東日本)

『らき☆すた』の聖地、鷲宮神社(アニメ内では「鷹宮神社」になっていますが)によって一躍全国に名を轟かせた鷲宮。

東武の鷲宮駅・JRの東鷲宮駅と鷲宮神社がいずれも「わしのみや」と読むのに対し、これらが所在する旧・鷲宮町(現在は久喜市)は「わしみや」と読みます。

鷹ノ巣駅/鷹巣駅(秋田県・JR東日本、秋田内陸縦貫鉄道)

旧・国鉄阿仁合線から秋田内陸縦貫鉄道の秋田内陸線へ転換した際、それまで1つの駅舎だったものを新たに「鷹巣駅」として隣接の駅舎を建てた経緯をもつ両駅。

とはいえ駅構内は共用でホームは繋がっており、改札内の乗り継ぎは可能です。

「鷹巣」の地名は、村で生まれた白鷹にちなんで命名されたと伝わります。

鷹狩駅(鳥取県・JR西日本)

鳥取市用瀬町鷹狩にある因美線の駅です。

鷹狩遺跡や古墳など、旧・用瀬町域でも長い歴史を裏付ける遺産が見られるものの、「鷹狩」の詳細は不明。

合併の末そうなっているにせよ、「鳥取」市の「鷹狩」というのがユーモラスですね。

「鶴」のつく駅名

国内では縁起のよい鳥として、長寿や美の象徴とされることの多い鶴。「鶴が多く飛来する土地だった」ことを由来とする例も多いようです。

真鶴駅(神奈川県・JR東日本)

相模湾に向けて突き出す半島の形が羽を広げた鶴のように見えることが、真鶴半島および真鶴町の由来なのだとか(出典:国土交通省HP)。

駅の読みは「まなづる」ですが、所在する真鶴町真鶴は「まなづるまちまなつる」。当時の官報や神奈川県公報で表記に揺れがあり、そのまま現在に至っています。

鶴舞駅(愛知県・JR東海、名古屋市営地下鉄)

こちらも「同じ漢字で読みが異なる」ケースです。

駅名や地下鉄の鶴舞線、昭和区にある町名(鶴舞○丁目、鶴舞町)はいずれも「つるまい」。対して鶴舞公園や名古屋市立鶴舞小学校、鶴舞中央図書館などは「つるま」と読みます。

名古屋市史などでもその由来については不詳とされているようです。

「隼」のつく駅名

「速翼(はやつばさ)」が転じたといわれる動物界のスピードスター。急降下時の最高速度は時速300km以上にも!

隼駅(鳥取県・若桜鉄道)

国の登録有形文化財にも登録された情緒ある駅舎の隼駅。

スズキの大型バイク・GSX1300Rハヤブサが集うイベントが開催されたのをきっかけに、現在は8月8日の「隼駅まつり」に合わせて全国のライダーが訪れる聖地となっています。

駅周辺に「隼福」「隼郡家」といった地名も残るため、隼の飛来が見られた土地なのかもしれません。

隼人駅(鹿児島県・JR九州)

霧島市内、旧・隼人町の中心部にある日豊本線と肥薩線の2路線が乗り入れる接続駅です。

「隼人」とは奈良時代に当時の朝廷が南九州に住む人々のことを指す呼び名で、「ハヤブサのような人」「南方を示す『鳥隼』の『隼』を宛てた」などと伝えられています。

現代でも薩摩・大隅に限らず鹿児島出身の男性を「薩摩隼人」と呼んだりしますね。

魚類

魚類だって脊椎動物の一種です。

海や川の近くに多くありそうな地名に思えますが、どうでしょうか。

「魚」のつく駅名

まずは鳥類と同様、広義の「魚」から。

魚沼田中駅(新潟県・JR東日本)

魚沼産コシヒカリなど、米どころとして全国的な知名度を誇る魚沼。

「魚沼駅」という駅はなく、魚沼市では田中地区に魚沼田中駅が所在します。

文字通り魚の多く棲む魚野川や沼があったため「魚(イオ)沼」となったなどのいわれがあります。

糸魚川駅(新潟県・JR西日本、えちごトキめき鉄道)

こちらも新潟県、2015年の北陸新幹線延伸により新幹線停車駅となった糸魚川市の中心駅です。

糸魚川という川があるわけではなく、市によれば「糸魚(イトヨ)が市内を流れる河川に多く棲んでいた」「古代新羅人が日本に渡り帰化人となり糸井の姓を名乗った」などの説があるものの、いずれも決め手には欠けるというのが現状のようです(出典:糸魚川市に「糸魚川」という川はありません(市名のいわれ)/糸魚川市)。

「鯖」のつく駅名

食用魚として日本文化にも馴染みが深い鯖。全国各地にブランド鯖がいるのも特徴です。

鯖石駅(青森県・弘南鉄道)

弘前市街から大鰐町へ上る弘南鉄道大鰐線の駅です。

「鯖石」は大鰐町の大字で、付近にあった採石場で同名の石(サバ石)が採れたとする記録はあるものの、どちらの名称が先かは不明なのだそう。

町名の「鰐」も魚へんですが、こちらは魚でなく「わに」ですね。

鯖江駅/北鯖江駅/西鯖江駅(福井県・JR西日本、福井鉄道)

日本国内における眼鏡フレームの生産の90%以上を占める「めがねのまち」鯖江市。

崇神天皇の時代、戦で降ってきた矢が鯖の尻尾に似ていたことから「鯖矢」と呼ばれ、それが転じて鯖江となったとされます(出典:鯖江の名の由来 – めがねのまちさばえ 鯖江市)。

場所は異なりますが、福井県といえば若狭湾から京都へ鯖を運んだ「鯖街道」もあります。

「鮎」のつく駅名

渓流釣りの代表的な魚である鮎。海なし県の群馬県・岐阜県・奈良県では県魚にも指定されています。

鮎貝駅(山形県・山形鉄道)

置賜地方を走るフラワー長井線の駅で、白鷹町鮎貝に所在します。

白鷹町は町の魚も鮎で、最上川に面した公園では落ち鮎を捕らえるための常設のヤナも設置されているほど。

一帯では古くから鮎と同じように貝がよく獲れていたのでしょうか。

鮎喰駅(徳島県・JR四国)

戦前に一度営業を停止するも国鉄分割の前年に臨時乗降場として復活、翌年JR四国へ承継され駅に昇格という経緯をもつ珍しい駅。

昭和9年の開業時は現在地と異なる地点(鮎喰町)に駅があり、移転したのちも名称変更せず「鮎喰(あくい)」の名が使われています。

付近を流れる川(鮎喰川)に鮎が多く、文字通りそれを獲って食していたそうです。

「鮫」のつく駅名

イルカもクジラもシャチも哺乳類ですが、サメは魚類です!

鮫駅(青森県・JR東日本)

その名もズバリ「鮫」駅。ウミネコの繁殖地として国の天然記念物になっている蕪島の最寄駅です。

ホームから鮫港を見渡す駅は海の近く、八戸市大字鮫町に所在。

由来は「鮫が多くいた」や「『沢』が訛った」「『寒い』が転じた」などの説があるようですが、駅前には名前にあやかってサメのモニュメントが置かれています。

鮫洲駅(東京都・京浜急行電鉄)

付近に運転免許試験場があることで都民にはおなじみの駅。2020年からは副駅名にもなっています(「鮫洲運転免許試験場」)。

かつて周辺一帯は「鮫浜」「鮫頭崎」などといい、大きく海に洲が出ていたため「鮫洲崎」とも呼ばれたことが駅名の由来だそう(出典:鮫洲駅 | 路線図・各駅情報 | 京浜急行電鉄(KEIKYU))。

両生類・爬虫類

脊椎動物の残る2類、両生類と爬虫類も一挙に…と言いたいところですが、両生類は代表格である「蛙」も含めて駅名に含まれるものが見当たりません。

実質的に爬虫類の紹介となります。

「亀」のつく駅名

まずは、先ほどの鶴に同じく古くから中国や日本で長寿の象徴になっている亀。

亀有駅(東京都・JR東日本)

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』でおなじみの亀有。亀有公園をはじめ駅周辺の至るところに両さんら登場人物の像が置かれています。

低湿地帯の中に亀の甲羅のような形を「成す」土地ということでかつては「亀無」「亀梨」と呼ばれていましたが、それでは縁起が悪いという話になり真逆の「亀有」に改められたのだそう。

こうした亀有の地名にまつわる逸話はこち亀の117巻(「両さんの亀有歴史散歩の巻」)でも語られています。

亀嵩駅(島根県・JR西日本)

松本清張の小説『砂の器』に登場する駅として知られる亀嵩(かめだけ)駅。

山肌に露出した岩石が鼈(すっぽん)のように見えることから鼈峰山と呼ばれる山が村の西側にあり、その山の名から亀のつく地名になったとするのが一説です(出典:島根県内の次の駅名の由来を調べている。地名辞典を見たが、載っていなかったので、何かわかる資料がないか… | レファレンス協同データベース)。

駅舎には蕎麦屋が併設しており、名物の奥出雲そばをいただけます。

「蛇」のつく駅名

日本に限らず、神話や宗教世界などでも信仰の象徴とされることの多い蛇。うねうねと曲がりくねるさまを示すモチーフとしても用いられることがあります。

大蛇駅(青森県・JR東日本)

階上町大字道仏字大蛇に所在する大蛇(おおじゃ)駅。「だいじゃ」「おおへび」ではありません。

「大字道仏(どうぶつ)字大蛇」という今回の記事に打ってつけの地名ですが、そこには付近の沼に棲む大蛇を村人たちが退治しようと「胴をブツッと」(どうぶつ)切った、という伝承も。

深い岸を意味するアイヌ語の「オホ・チャ」から転じたとも言われています。

南蛇井駅(群馬県・上信電鉄)

動物名がつくからというよりも、難読・珍名スポットとしてマニアからの人気が高い南蛇井駅。「なんじゃい」という平仮名の駅名標が目を引きます。

こちらもアイヌ語ゆかりの語源とする説のほか、蛇が寒暖を凌ぐのに集まる泉(もしくは井戸)が南方にあった、という説も。

駅構内では4〜5月に「幻の山野草」オキナグサが花を咲かせます。

「鰐」のつく駅名

爬虫類でも高い知能を持つとされる鰐。古事記など日本古来の伝承に記される「ワニ」は「サメ」だったのではないか、という話もよく耳にしますよね。

大鰐駅/大鰐温泉駅(青森県・弘南鉄道、JR東日本)

先ほどの鯖石駅がある弘南鉄道大鰐線の起点・大鰐駅と、そこに跨線橋で繋がるJR奥羽本線の大鰐温泉駅。

大鰐温泉駅も1991年までは同名の大鰐駅でしたが、温泉郷のアピールの目的か現在の駅名に改称しています。

大きな阿弥陀如来像があったことから「大阿弥陀」と呼ばれたものが「大阿弥(おおあに)」「大阿子(おおあね)」と変化し、いつしか「大鰐」と記されたという経緯だそう(出典:大鰐町の由来 – 大鰐町ホームページ)。

この記事を書いた人
CHIRIさん

日本の地理や国内旅行、お出かけ情報が大好きなCHIRIさんです(猫も好き)。
ライター業の傍ら、楽しくてためになる記事を書けたらと思い始めました。

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