東京近郊で物件探しをした経験のある人なら目にしたことがあるかもしれない
- 湘南新宿ライン宇須
- 湘南新宿ライン高海
という謎のワード。「宇須」に「高海」、湘南新宿ラインにそんな駅はありません。が、SUUMOやHOME’Sで路線検索をすると当然のように出てくる言葉です。
どこかで見たことあるような、でもどこだっけ?とむず痒い思いになっている人もいるかもしれません。筆者もはじめ見た時は「台湾あたりにこんな地名があったような…」と思いましたが、全然違いました。力士の四股名や野球選手の苗字でいそうな感もありますが、人名も特に関係はないようです。
SUUMOもHOME’Sも宇須・高海への注釈は無し
参照:【SUUMO】東京都の沿線・駅の賃貸(賃貸マンション・アパート)住宅のお部屋探し物件情報
日本最大級の不動産サイトを謳うSUUMO(スーモ)。
東京都内の賃貸物件を路線図別に探す場合、上図のようにJRや私鉄の路線一覧が表示されます。その中に、件の「湘南新宿ライン宇須」「湘南新宿ライン高海」のチェックボックスが並んでいます。それについて特に説明はありません。
カッコ()内は物件の該当件数ですが、宇須と高海で微妙にその数字も異なるようです。
参照:【ホームズ】東京都の路線から賃貸を探す|賃貸住宅[賃貸マンション・アパート]の検索・賃貸情報
同じく大手住宅情報サイトのLIFULL HOME’S(ライフルホームズ)でもこの通り。主要停車駅を見ると、宇須と高海で微妙に駅のラインナップが異なります。
宇須は「宇都宮・横須賀」、高海は「高崎・東海道」
「それで結局、湘南新宿ライン沿線で物件を探す時にはどっちを選んだらいいの?」と思われるかもしれません。
結論を述べると、宇須と高海はそれぞれ
「高海」=高崎・東海道
という略称であるようです。
副都心3区を縦断したのち北は大宮・南は大船で分岐する湘南新宿ラインにあっては、運行系統として宇都宮線と横須賀線を直通するものと高崎線と東海道線を直通するものの2種類が存在するものの、
それぞれの沿線を区別するための言葉が特に設けられていないため、路線別に情報を掲載する必要がある物件検索サイトなどにおいて便宜上宇須・高海という省略された用語が用いられている、ということのようなのです。
「宇須」「高海」が微妙に地名っぽい(地名と地名をくっつけた造語なので当然かもしれませんが)ために惑わされそうになりますが、気付いてしまえば何のことはありませんでした。
宇須・高海は東京方言?不動産業の専門用語?
ただし上でも述べたように、SUUMOとHOME’Sいずれのサイトでも宇須・高海という言葉に関しての説明はありません。
(もしかして私が地方出身だから知らないだけで、代々東京に住む人には常識なのか?)とも思いましたが、検索でもそれらしい由来は出てきませんでした。
JR東日本のサイト内を検索しても上の通り。公式に用いられる用語ではないようです。
「宇須・高海」で検索しても、出てくるのはSUUMOやHOME’Sのような物件情報を扱うポータルサイトや不動産会社のページ、あるいは分譲マンションのレビューサイトなどばかり。
特に改まった説明がなされていないところを見るに、インターネットが普及する以前から使われてきた不動産業界特有の言い回しなのかもしれません。