出版文化産業振興財団(JPIC)は9月18日、記者発表会の開催に合わせて「無書店自治体の最新状況」を発表しました。
無書店の24市名を初めて公表
発表によると2024年8月末時点での無書店自治体は27.9%。その中でも「書店ゼロの市」は北海道や埼玉県、千葉県、福岡県など15道県の24自治体に及ぶとして、自治体名を記者発表資料で公表しています。
出典:BOOK MEETS NEXT2024 記者発表資料.pdf
資料によれば北海道(芦別市、赤平市、歌志内市)・茨城県(かすみがうら市、つくばみらい市、小美玉市)・千葉県(袖ケ浦市、白井市、匝瑳市)が最も多く3市、次いで奈良県(葛城市、宇陀市)・福岡県(中間市、那珂川市)・鹿児島県(垂水市、伊佐市)が2市。
そのほか埼玉県(白岡市)、新潟県(妙高市)、岐阜県(海津市)、徳島県(三好市)、長崎県(松浦市)、熊本県(合志市)、大分県(杵築市)、宮崎県(串間市)、沖縄県(南城市)が1市において「書店ゼロ市」の状態にあるとしています。
広島県と香川県は無書店率「0%」、東京都は11.3%
全国から月平均で実に32.7軒のペースで書店が消えているという事実(資料より)。一方で広島県と香川県の2県は無書店自治体はゼロ、つまり全市町村に1軒以上の書店が存在することになります。
千葉県や埼玉県のような都心近郊の市でも無書店に陥る一方、例えば千葉県袖ケ浦市といえば市制施行時から読書教育を重点施策と位置づけており、現在でも千葉県下有数の蔵書数や図書環境を有することで知られています。そのため、一概に「書店がない=本に触れる環境がないから危うい」と考えるのは早計かもしれません。