2024年3月の金沢ー敦賀間開業により、北陸新幹線の新たな終着駅となった福井県敦賀市の敦賀駅。福井県としては敦賀駅のほか芦原温泉駅、福井駅、越前たけふ駅の計4駅が新幹線としてお目見えし、大きな盛り上がりを見せています。
最終的には敦賀駅から新大阪駅まで延伸することで全線開業となる北陸新幹線ですが、敦賀以西をどう延ばすかは米原ルートや小浜・京都ルートなどで依然議論がまとまっておらず、しばらくは「終点、敦賀」が続きそうな状況。
そうしたこともあって俄然注目を浴びている敦賀駅ですが、駅の先には何があるのでしょうか。今回は駅を背にして南西方面へドライブがてら、色々と散策してみました。
①メタセコイア並木(滋賀県高島市・敦賀駅から車で30分)
新幹線に乗っていると案外イメージしにくいかもしれませんが、下りの北陸新幹線は福井県に入るとほぼ南南西に向けてまっすぐ伸びており、敦賀駅を擁する敦賀市があるのは県南西部の嶺南と呼ばれる地域。この辺りは隣の滋賀県に接していることもあって、敦賀駅から国道161号線を走ること20分ほどで県境を超えることができました。
高原リゾートの街、マキノ町
滋賀県北西部、高島市マキノ町。西日本では珍しい豪雪地帯としてスキー場もある高原リゾート地としても知られていますが、マキノ町といえばということで、JRマキノ駅から北西に2kmの位置にある前から行ってみたかったこちらのスポットへ。
そう、県道に伸びるメタセコイア並木!
一帯は市の農業公園・マキノピックランドの敷地に当たり、そこを南北に貫く形で実に全長2.4kmの区間にわたりメタセコイアが植えられているのだそう。
この日はあいにくの天気でしたが、青々とした緑色と三角錐の樹形が整然と並ぶさまは壮観でした。(写真映りが今ひとつなのもありますが)ぜひ四季折々の姿を生で見に来てほしい!おすすめのスポットです。
撮影時は車の往来を妨げないよう注意
思わず映える写真を撮りたくなってしまいますが、路上駐車や道路への飛び出しは厳禁です。ノロノロ運転や「撮影しながら運転」もやめましょう。道沿いにはマキノピックランドのカフェ・レストランや直売所がありますので、休憩の際にご利用ください。
マキノピックランド周辺の観光マップ。地理・歴史的な要因から、やはりこの辺りは今でも福井県の嶺南地域との結びつきが強いとのことでした。平成の大合併の際には周辺自治体で2県を跨いでの「越境合併」も検討されていたそうですよ。
②熊川宿(福井県若狭町・敦賀駅から車で50分)
メタセコイア並木に別れを告げて南下、琵琶湖の西岸を走りつつ国道303号線から北西へ。20分程度でたどり着くのが旧鯖街道の宿場、熊川宿(くまがわじゅく)です。
嶺南から京都を結ぶ鯖街道の宿場町として繁栄
若狭湾で獲れた魚介類を京都まで運ぶ際のいわば物流ルートであったことからその名がついた鯖街道。何本かルートがあるうち、狭義には小浜港から現在の国道303号線で近江国に入り水坂峠を越える若狭街道を鯖街道といい、その中心的な宿場町として整備されたのがこの熊川宿でした。
現代でも写真の通り、往時の伝統的な街並みが保存されていました。電柱も撤去されていて風情のある景観ですね。
宿泊施設やセレクトショップ、道の駅も
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定、さらには日本遺産にも認定されている熊川宿。バイパスや鉄道の発達などで一時は衰退したそうですが、近年では空き家を活用した若い移住者の受け入れも活発になっているのだとか。
現に地図の一帯には古民家をそのまま生かした宿泊施設やコーヒーショップ、お土産店などが並んでいます。滋賀県側の宿場町入り口付近には道の駅も設置されており、当時と変わらないであろう立ち寄った人を気軽に受け入れてくれる雰囲気が漂っていました。
前川と呼ばれる水路も敷かれ、周辺の緑も豊かな熊川宿。訪れた日には近隣の幼稚園児が遠足で来ていたり、駐車場も整備されていたりと広く親しみやすいスポットとして賑わいを見せています。
しかしやはり家屋が立ち並ぶこの場所で生活する人も当然いるわけですから、ここでも散策の際にはマナーを守って楽しみたいものですね。
③日本海さかな街(福井県敦賀市・敦賀駅から車で10分)
熊川宿から旧上中町・旧三方町域(現在は三方上中郡若狭町)を北上し、敦賀市内まで帰ってきました。
地図上でたどると上のマップのように、時計回りに一周ぐるっと円を描くようなルートでした。結果的に敦賀駅から車で10分ほどの場所に戻ってきたことになります。
敦賀港直送の魚が並ぶ、日本海側最大規模の海鮮市場
散策後のグルメを堪能するスポットとして目をつけていたのがこちら、その名も日本海さかな街。
日本海に面した都道府県が本州に12府県ある中、その日本海の名を冠するに恥じない規模を誇る巨大な海鮮市場です。福井といえばカニ!ということで海鮮料理が食べられる場所を探し、候補に出てきたのがこの日本海さかな街でした。
イートインのほか鮮魚、水産加工品、土産品など物販店も充実
日本海さかな街は広い敷地に60店舗余りのお店が入る屋内施設で、広い駐車場もあるので観光にもぴったり。施設内は食事処だけでなく、獲れたての魚介類を並べる鮮魚店や敦賀ならではのお土産品店などがひしめいています。
今回食事をしたのは「かに喰亭 ますよね」。ご覧の通り店先に貼られた圧巻のメニューに惹かれました。日本海さかな街の中でも最も大きくスペースが取られた人気店のようで、広い店内にお客さんもひときわ多かった印象です。
福井といえばカニ!といって入ったのに、注文したのはエビやウニ・いくらがたっぷり載ったこちらの丼。目移りしちゃうんです…(同行者はしっかりとカニを堪能していました)。本当に、プリプリの新鮮な海鮮料理がこの値段で?というメニューが揃っていますよ!
敦賀から車で1時間圏内のおすすめスポット&グルメ|まとめ
東京から北陸新幹線経由で敦賀にアクセスする場合、これまでは金沢で特急サンダーバードに乗り換える必要がありました。それが北陸新幹線1本で行けるようになったことにより、最速3時間54分だった所要時間が50分カットの最速3時間8分に。
東京ー敦賀間にはさらに所要時間の短い東海道新幹線ルート(米原乗り換え、最速2時間50分)もありますので、行きと帰りで乗車する新幹線を変えてみる、というのも楽しいかもしれませんね。
敦賀駅から車でアクセスできる範囲にも今回お伝えしたような魅力が満載!敦賀で降りたら車に乗り換えて、周辺観光を楽しんでくださいね。
空いてればラッキー!?敦賀駅徒歩1分のホテルグランビナリオTSURUGAは駅前複合施設「otta」にも近い、急な宿泊にも便利なホテルです。
参照:楽天トラベル